2011年12月1日木曜日

アメリカが肥満大国になるまでの物語

大学院でのレポートのために読んだ本の1冊。
アメリカが肥満大国になるまでの食と人間の関係の歴史という感じの本です。
この本を読むと、日本の「食の崩壊」の背景も見えてなるほどと納得。


Kitchen Literacy: How We Lost Knowledge of Where Food Comes from and Why We Need to Get It Back
勝手な邦訳『食べもの学 〜私たちが食べものについて考えなくなった歴史と、食べものについて知ることが大切な理由』
ざっと紹介すると、こんな感じでしょうか?

ほんの150年ほど前まで、庭先の畑で野菜を育て、
庭先の鶏の顔色をうかがいながらその卵を食べていた。
そのアメリカ人が町に移り住むようになると
町の肉屋や八百屋さんが代わりに食材を確認するようになった。
ところが間もなく鉄道が発達して、冷蔵技術が発達して、
食べものが遠く〜から運ばれてくるようになると、
肉屋さんも牛肉となった牛が元気だったかどうか、どんなエサを食べていたか、わからない。

やがて顔が見える人間の代わりに、食品企業が食べものについて教えるようになった。
製品のラベルやブランドや広告で。

そこに加わったのが家政学の専門家や教育者たち。
母親に料理を学ぶなんて古いですよ〜。
これからは食については私たち「専門家」から学びなさい。
手づくりなんて不衛生! 
企業こそが近代的で科学的な食品を提供できるんだから。

さらに世界大戦中に税金を免除された広告業界が加わって勢いづいた。

女性は料理「なんか」より、もっと大切なことがある。
加工食品を使ってスマートに生きましょうよ!
愛する家族のために手料理を作ってあげたいときは
加工食品にちょっと手を加えたら大丈夫。
ほら、我が社のケーキミックスを使えば、卵を混ぜて焼くだけで
まごころいっぱいの手料理が完成!

続きは「世界の食は今 子どもを狙え!」へどうぞ。
今、アメリカは大人の34%が肥満に苦しみ、
子どもの平均寿命が親より短くなった世界最悪の肥満大国。

この本を読むと、戦後日本の食の崩壊は歴史的必然だったという『「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 』をまた一つ深く理解できるような気がします。

どなたか、ぜひ日本語版も出版してください。

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