2011年12月2日金曜日

コオロギばあちゃんと水戦争の物語

もとは松平さんから紹介された動画ですが、
日本語では紹介されていないようなので、
自分の解釈も含めてまとめてみました。
ぜひ大画面で見てください。

コオロギばあちゃん
Abuela Grillo - a fable of our times, 2D animation by Denis Chapon


ボリビアの低地には、コオロギばあちゃんが鳴くと雨が降るという言い伝えがある。
コオロギばあちゃんの後ろには小さな雨雲がついてくる。
大地がうるおい、作物が育つ。

だけど自然はときには気まぐれなもの。
コオロギばあちゃんも羽目を外して、つい歌いすぎた。
水のありがたみを忘れて、農民もトウモロコシを投げつける。
悲しくなったコオロギばあちゃんは旅に出た。

町の中でコオロギばあちゃんはスカウトされた。
水会社の囲われた舞台で歌を歌い、
集めた水はお金と引き替えに販売される。
水はもうタダじゃない。

会社はお金を儲けることが第一だから、
コオロギばあちゃんが疲れても、歌いたくなくても、
最後の一滴まで搾り取る。
水が少なくなったら、値段を上げればいい。
ペットボトル1本の水が、紙幣を出さないと買えなくなった。
お金のない人は水も買えなくなった。

コオロギばあちゃんが来なくなった農村では、
大地が乾き、作物も枯れ、
牛も子どももお腹ペコペコ。

もう、がまんができない。
農民も、町の人たちも、立ち上がった。
銃を向けられても、仲間が殺されても、
命の源である水を人間の手に取り戻すため戦った!

2000年にボリビアで本当に起こった「水戦争」。

やがてコオロギばあちゃんは
みんなのもとに戻ってきて、大地には緑が戻ってきた。

だけど水戦争はボリビアだけの話じゃない。
水会社は世界のあちこちでコオロギばあちゃんを捕まえている。
今も世界中で、たくさんのコオロギばあちゃんが泣いている。

【参考リンク】
映画「ブルー・ゴールド〜狙われた水の真実」サイト(日本語予告編あり)
世界中で水資源が枯渇している/水を買える人、買えない人。貧富の差が生死を分ける/これからは水戦争の時代。

コチャバンバ水紛争(日本語ウィキペディア)

コチャバンバ「水戦争」から10年 民営化阻止の民衆闘争をふり返る(日本語デモクラシー・ナウ)

デンマーク制作会社の作品紹介ページ(英語)

コオロギばあちゃんブログ(スペイン語)


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