今日のティム・ラング先生の議題は「食料政策とエビデンス」でした。
科学的なエビデンスに基づいて政策を立てるべきだというけれど、
理想的にはそう努力するべきかもしれないけれど、でも現実には、
エビデンスに基づくことができない食料政策もたくさんあって、
逆にエビデンスを突きつけても政策側に無視されることもしばしばある。
科学的なエビデンスといっても、食と健康のエビデンスは、
国によって、地域によって、年齢によって、性別によって、個人差によって、変わってくる。
つまり全世界の人たちに正確に該当するエビデンスを得ようとすると、地球がもう一つ必要になる!
だからエビデンスと政策の間のギャップを狭める努力をするべきではあるけれど、
完璧なエビデンスに基づく食料政策なんてありえない。
「現実社会はエビデンスを待つことが出来ないこともある」と。
"Sometimes the world cannot wait for evidence." (Lang et al 2009 p15)
放射能汚染された食品も科学的エビデンスがないから食べても大丈夫という日本で続いている議論のことを思いました。
追伸:これはあくまで受講した私によるまとめなので、ラング先生の言説については著書でご確認くださいね。
(2011年10月10日)
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