一言で答えるなら、片手で数えられるほど数少ない企業グループが、世界の食の大部分を生産から消費まで縦にコントロールしていること。
生産者も消費者も星の数ほどいるけれど、
その間の流通や加工の段階で、ほんの3〜5社が市場の大部分を管理する。
するとその首根っこを押さえる数社が、どんな「食品」をどうやって生産するか、生産から消費までをコントロールすることができる。
リスクは生産者と消費者に残したまま。
その構造は砂時計の形。
ボトルネックといわれる、きゅっと締まったところを握る数社が全体を支配するというわけ。
たとえばブラジルからヨーロッパに輸出される大豆の場合、
加工の段階で3社が市場の8割を占めているから、
20万人のブラジル農民はこの3社が望む大豆を望まれる通りに生産するしかない。
もっと大勢のヨーロッパの消費者は、この3社の都合に合わせた大豆製品を食べることになる。
その結果、農民はどうなる?
指定されたハイテク種子を買うために借金して、
指定された化学肥料や農薬を与えるためにまた借金して、
指定通りに生産できなかったら借金だけが残って、
土地は取り上げられて、借金だけが増えて、、、
以前、高校生向けに作ったスライドより。 |
大豆だけじゃなくて、他の穀物や肉やいろんな食品分野で、この首根っこがますます細くなっているのが、今日の世界の食料事情。
【参考文献】
邦訳された『肥満と飢餓――世界フード・ビジネスの不幸のシステム』に詳しく紹介されてます。
砂時計モデルの元資料(英語)。今度この著者がゲストスピーカーで来てくださるそうです!
「Food inc: corporate concentration from farm to consumer」
http://www.ukfg.org.uk/docs/UKFG-Foodinc-Nov03.pdf
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